坂爪ゼミ生による初の新書『知らないと恥をかく 「性」の新常識』(齋藤賢・光文社新書)刊行!
新しい「性の公共」をつくるゼミ(通称:坂爪ゼミ) のゼミ生から、初の新書が出ます!!
『知らないと恥をかく 「性」の新常識』
(齋藤賢・光文社新書) 2020年12月16日発売

本書の概要
セクハラや性犯罪がようやく社会問題として認められてきた現在、「性」について学ぶことはもはやひとつの必須事項となっています。
ただ一口に「性」といってもイシューは多岐にわたり、「ジェンダー格差」という大きな話から「緊急避妊薬」の販売をめぐる動向、さらには性の規範を作ってきた「AV教科書化」の解消、「性的同意」への注目など、枚挙にいとまがありません。必要なのはこれらのキーワードに通底する、性と社会の関係にいま起きている変化を、大づかみに理解することです。
#MeTooをはじめとした近年の様々なムーブメントの分析や、多彩なアクティビストへのインタビューなどを通じ、「性」をめぐるこの国の現在地を鮮やかに抉り出す一冊です。
*本書の抜粋が読める記事はこちら!
文春オンライン #1 SNSで卑猥な画像を送る男たち…なぜ彼らは女性に嫌がらせをしてしまうのか
#2 「嫌よ嫌よも好きのうち」は大間違い…危険な性行為につながりかねない“AV教科書化問題” とは
目次
はじめに
自分と他者の尊厳を守る鍵は「知識」/若者論が成り立たない中で、若者の声を伝えること「/憂国」青年の遍歴/ジェンダー課題に目を向けた瞬間/本書の構成
第1章 明るみに出た女性たちへのハラスメント
エリートだろうが何だろうが関係ない「/おじさん」だけが問題か#?/MeToo と#KuToo/上から目線のしょうもない意見/ひどい嫌がらせを知ってしまう
第2章 日本のジェンダー格差をデータで把握しなおす
マクロな観点から見える格差/SDGsとジェンダー/日本語で表せない「エンパワーメント」/ジェンダー不平等は先進国にとっても課題/社会システムに巣食う格差/女性の政治家が少ないことの何が問題なのか?/格差は政治システム以外にも棲みつく/ 「まとめ」ではなく、注意を最後に
第3章 あなたの性を楽しむために
あなたも、私も、性を楽しもう/起きている子を寝ていると思い込む/包括的性教育の必要性「/JKで性教育」の衝撃/頻出するアダルト系の漫画と広告/毒にも薬にもなるインターネット「『/質問箱』はやらない方がいい」/第3次生理ムーブメント「/ちゃんとした」動画の意義「/性」を架け橋に接近するカルチャーとアクティビズム
第4章 自分自身のカラダをもっと知ろう
女性のカラダについて/ない! ない! ない! の三連打/中絶をめぐる論争/セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス(ライツ)とは「/スピリチュアル」を見分ける#/なんでないの?/避妊へのアクセスが困難な日本/低中所得国を含め当然のインフラ/なぜ自分のカラダのことを自分でコントロールできないのか「?/下ネタって括りからの解放が必要なのかも」/避妊、緊急避妊、中絶……。どれもヤバいニッポン/男性の無関心・無知の問題
第5章 「AV教科書化」問題にモノ申す
AVをめぐる問題圏へ/ふたつの前身――1ピンク映画/ふたつの前身――2ビニ本/AVの誕生/AV的表現の開花『/全裸監督』の時代『/全裸監督』に対する批判/飯島愛の活躍とセルビデオの登場/無料アダルトサイトの広がり/男性にも見られる女性向けAV/課題としてのAV「/AV教科書化」に対する問題提起/どのようなAVが望ましいのか?/営みとしてのセックスを撮る/恋愛工学の危険性/世界で制作されるAVのオルタナティブ「/自分の出す映像は果たして猥褻物なのか」/性産業をグレーゾーンに追いやる社会/自己責任論と自己責任論批判の両者を批判する
第6章 いま、「性的同意」に注目が集まるワケ
いま、若者たちが注目している「性的同意」/性的同意とは何か/性的同意の3つの成立条件/女性からでも/性的同意を啓発するために/神話から科学へ/日本における性暴力の問題/直近の動き/Genesisの啓発活動/配偶者や恋人間でもレイプは起こりうる/ワークショップでの実践的なロールプレイ「/共感」をベースに性をリブランディングする「/性的行為」がセックスだけとは限らない/Genesis流・性的同意のコツ/性に関する価値観のすり合わせ/文化とか本能とかいろいろ言うが
最終章 セックスのコミュニケーション的転換
セックスのコミュニケーション的転換/コミュニケーションをサポートする「/セックスしない人たちにも使ってほしい」/テクノロジーで課題を解決する/SNSの中に舞う言葉/SNSから聴こえてくる声をどう受け止めるのか/セクスティングの是非「/からかい」の弊害「/はい、論破」して何になる?/失敗のダブルスタンダード/真摯に言葉を受け止めること、そして、言葉の先を考えること/残された課題――1ハッシュタグアクティビズム/残された課題――2「前提」が共有されない世界
おわりに
僕のスタンス/僕自身の使命/謝辞
参考文献
著者プロフィール

齋藤 賢(さいとう・けん) @Ken_Saito_
1994年茨城県生まれ。茨城県育ち。早稲田大学教育学部卒業。東京大学大学院学際情報学府修士課程在籍中。関心領域は理論社会学、特に社会学的機能主義。研究とは別にジェンダー・セクシュアリティに関する社会課題の解決に取り組む。本書が初の著作になる。
出版記念イベント
2021年1月15日(金)19時~21時 オンライン読書会

メディア掲載・読者の反響
本日発売、齋藤賢さんの『知らないと恥をかく 「性」の新常識』をさっそく文春オンラインさんにて取り上げていただきました!「マンスプレイニング」「AV教科書化問題」などについての2本立てです。https://t.co/cDNlWmGJGM
— 光文社新書 (@kobunsha_shin) December 16, 2020
ゼミ生、随時募集中です!
新しい「性の公共」をつくるゼミ(通称:坂爪ゼミ)の課題は、「一人一冊、本を書き上げる」こと。
少人数のゼミで、ゼミ生同士のディスカッションを通して、意見交換や励ましあいをしながら、一人一冊、新書水準の本(8万~10万字程度)を書き上げることを目指します。
「自分も本を出したい」「世間に訴えたいテーマがある」という方は、ぜひご参加ください。