
ひとり親世帯の貧困率が五割を超え、経済的・社会的に弱い立場に置かれているにもかかわらず、シングルマザーは「自己責任」という言葉の下、社会的なバッシングや無視・放置の対象になりがちです。
その中でも、経済的な理由から性風俗店で働くことを選んだ地方都市のシングルマザーは、首都圏のシングルマザーに比べて問題化されづらく、性風俗に対する偏見も加わって、これまでなかなか光が当てられることがありませんでした。
しかし、彼女たちが置かれている状況には、現代社会における「家族」「就労」「社会保障制度」「人口減少」「ジェンダー」、全ての課題と論点が詰まっています。
2019年12月、地方都市の性風俗店で働くシングルマザーを2年間にわたって取材した 『性風俗シングルマザー 地方都市における女性と子どもの貧困』 (集英社新書) が刊行されました。
シングルマザーをめぐる問題を適切に理解するためには、個人の生活を追うだけ、社会構造や制度の問題を指摘するだけでなく、彼女たちが実際に生活している地域という文脈の中で、彼女たちの抱えている問題がどのように生成されているのかを知る必要があります。
『性風俗シングルマザー』では、ミクロとマクロの狭間にあるメゾの世界=一つの地方都市に舞台に絞って、その街の性風俗店で働くシングルマザーたちの姿、及び彼女たちの行動や思考を規定している家族・地域・制度などの文脈を描き出しました。
今回の講演会では、同書の内容をベースに、地方都市における女性と子どもの貧困の現状と課題を可視化し、私たちがこの問題にどう向き合っていくかについて、ひとり親支援の現場に精通した有識者・支援者・当事者を交えて議論を行いました。
開催日・ゲスト
<開催期日>
2020年1月11日(土)13時30分~16時30分
<開催会場>
新潟県女性センター 女性団体交流室2
〒950-0994 新潟県新潟市中央区上所2丁目2-2 新潟ユニゾンプラザ2階
<ゲスト>

赤石千衣子さん(認定NPO法人しんぐるまざぁず・ふぉーらむ理事長)
1955年東京生まれ。非婚のシングルマザーになり、シングルマザーの当事者団体の活動に参加。シングルマザーと子どもたちが生き生き暮らせる社会を実現するために活動している。シングルマザーサポート団体全国協議会代表。著書に『ひとり親家庭』(岩波新書)、共著書に『シングルマザー365日サポートブック』などがある。
ツイッター @nyachieko
小池由佳さん(新潟県立大学人間生活学部子ども学科教授)
北村ゆいさん(新潟市パーソナル・サポート・センター 相談支援員)
平成24年から生活困窮者自立支援事業(当初はパーソナル・サポートモデル事業)の相談支援員として勤務。平成29年から風テラス新潟の相談にも関わる。社会福祉士。好きな言葉は「継続は力なり」。最近の興味関心は、美味しいおつまみ調べ。
ゆうさん(現役キャスト兼風俗講師) ツイッター @you2525_you
当日の開催風景・参加者の感想
講演会の様子は、当日~翌日のNHKニュースで放送されました。