性に関わる唯一のサービス業でありながら、そこで働く人の「性の健康と権利」が最も顧みられていないのが、風俗の世界です。

今、風俗をはじめとした性労働の世界に必要なことは、働くこと・利用することの道徳的な是非をめぐる議論を繰り返すことではありません。

風俗と社会とつなぐことを通して、この世界で働く当事者のリスクを減らすことが求められています。

私たちは、2012年より「性労働の社会化」をテーマにしたイベント「夜職サミット」を定期的に開催しています。

サミットの開催に加えて、性労働の専門誌 「セックスワークジャーナル・ジャパン」の発行、 派遣型性サービスで働く際に必要な法律・歴史の知識を身につけるための「デリヘル六法」の発行と「デリヘル検定」の実施、風俗と福祉をつなぐ「風俗福祉基礎研修」の開催を行っています。

また2015年から、性風俗で働く女性のための無料生活・法律相談事業「風テラス」を開始いたしました。

⇒風テラスの詳細は、新書『性風俗のいびつな現場』『「身体を売る彼女たち」の事情~自立と依存の性風俗』をご覧ください。

2020年4月には、厚労省の「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金支給要領」において、風俗営業等関係者が不支給要件の対象になっていることに対して、風俗営業等関係者を不支給要件から外すことを訴える署名キャンペーンを行いました。

短期間で一万人近い署名が集まり、厚労省は風俗営業等関係者を不支給要件を外すことを決定。現場の声を国に届けることに成功しました。

2021年からは、風俗で働く女性のためのオンラインセミナー『キャストワーク+(プラス)』を開始いたしました。

私たちは、風俗と社会をつなぐことで、現場で働く女性の「性の健康と権利」を守ることを目指します。