僕らの性は、僕らが語る。僕らの性は、僕らが決める!

本書は、「男子の・男子による・男子のための、新しいセックス論」です。

「僕らの性は、僕らが語る」という立場から、日常生活の中で、僕たち男子が直面する、性に関する問題とその解決策を、一つ一つ、論理的に読み解いていきます。

そして、性生活を通して、人生を豊かにするためのスキルを身につけてもらうことを、目的とします。

これまで、男子の性は、メディアや企業、政治やフェミニズムによって、男子の性とはこういうものだ」と、勝手に定義され、代弁され、批判されてきました。

しかし、実際に、当事者である僕たち男子自身が、自らの声で性を語る、という場面は、ほとんどありません。

そして、男子の性は、「エロ」や「モテ/非モテ」といった、ワンパターンの文脈で語られることが、ほとんどです。男子の性は、意外にも実態が見えにくく、分析や支援の対象としてまともに取り上げられること自体、少ない状況にあります。

僕は、NPOの世界で、新しい「性の公共」をつくる、というビジョンの下、
「障害者の性」問題をはじめとした、社会の性問題の解決に関わる仕事をしています。

日々の活動の中で痛感しているのが、今の社会が、「男子が性を語れない社会」「男子に性を語らせない社会」である、ということです。僕たち男子が、自分の性を語らない、語れないことによって、性に関する様々な社会問題が、「見て見ぬふり」をされ、「そもそも存在しないもの」として、放置されている現実があります。

その結果、社会的に弱い立場にある女性や子ども、障害者、陽の当たらない売春・性風俗の世界に、現代社会の性に関する、あらゆるツケや矛盾が押しつけられてしまっています。

裏を返せば、僕たち男子一人一人が、自分の性を理解し、それを語る力を身につけることができれば、現代社会に溢れている様々な性問題に対して、解決の切り口を見出すことができるはずです。

こうした背景から、僕は、「男子の・男子による・男子のための、新しいセックス論」の執筆を決意しました。

本書では、僕たちのセックスを、これまでのワンパターンの文脈に基づいた語り、テクニック解説や精神論に終始する語りから解放することを目指します。

今の僕たちに必要なことは、セックスを過度に崇めたり、過度に蔑んだりせずに、毎日の生活の中で、自分の性、そして他者の性と付き合っていくスキルを身につけることです。

こうしたスキルを身につけることができれば、僕たちは、自分の性を、きちんと自分の言葉で語ることができるようになるでしょう。

自分の言葉で語ることは、自分の力で決めること=「性の自己決定権」の獲得にもつながります。そして、性の自己決定権は、人生の自己決定権に他なりません。

僕らの性は、僕らが語る。そして、僕らの性は、僕らが決める。そのために必要なスキルを、これから一緒に学んでいきましょう。

【編集担当からのコメント】

「男の性」は、エロやモテるモテないといった言葉で消費され、真剣に語られることはなかった。そのせいか、性欲は尽きない、セックスしたくてたまらないとか思われているが、本当に男は皆そんなにエロいのだろうか。

そういった疑問に答えるべく、「射精」「自慰」「童貞」「初体験」「恋愛」「性風俗」「結婚」といった誰もが気になるテーマを根本的な部分から考えなおす。性問題でこじらせてしまう前に読みたい一冊。女性もこれで男の本音がわかる!

2014年4月9日(水)発売 *推薦文:上野千鶴子さん

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目次

はじめに・・・僕らの性は、僕らが語る。

序章  僕らを射精に導く、「お上」の見えざる手

第1章 性を「見分ける力」を身につけよう

第2章 「僕らのセックス」7つの処方箋  

第3章 僕らの性は、僕らの手でつくる

あとがき

書評・感想

2014年4月16日 宋美玄のママライフ実況中継 「性活習慣病」の危機も…男子が語る男子の性

2014年4月16日 誰がためにカネは成る 坂爪真吾著書『男子の貞操』レビュー

2014年4月19日 水沢紀子オフィシャルブログ 『男子の貞操』を読んで

2014年4月22日 週刊ポスト「童貞力」特集にて、著者コメント紹介

2014年4月24日 倒錯委員長の活動日誌「納得はできんが人の意見が聞きたくなる」

2014年4月30日 西森路代さん書評@プロジェクトアマテラス

2014年5月1日 朝日新聞新潟版にて、著者インタビュー掲載

2014年5月14日 福岡・天神リブロ様にて、『男子の貞操』&「セクシュアル・リテラシー」フェア開催

2014年5月18日 和光大学青年心理学研究室

2014年5月22日 週刊実話に著者インタビュー掲載

2014年5月27日 週刊朝日「話題の新刊」コーナーに書評掲載

2014年6月1日 東京新聞朝刊読書面に短評掲載

2014年6月5日 messyにて紹介

2014年6月21日 「特選小説」にて書評掲載