
「生活保護 VS. デリヘル」、勝敗の行方は?
なぜ彼女たちは、JKリフレやデリヘルで働くのだろうか?
風俗で働く女性のための生活・法律相談窓口「風テラス」に寄せられる彼女たちの悩みの背景には、若者の貧困、DVや虐待などの家庭問題、ワーキングプア、見えづらい障害や病気など、複雑な社会課題が絡み合っている。
そうした課題を解決するために彼女たちが選んだJKリフレやデリヘルの世界には、一度足を踏み入れると抜け出しにくい構造がある。
自助と公助の狭間に落ち込んでしまった彼女たちが集う「いびつな共助」としての性風俗の世界を描き出し、自己責任論と感情論に満ちた社会に風穴を開けるための一冊。
目次
はじめに ルポ・2017年7月1日、JKビジネスが死んだ日
第一章 「JKリフレ」という駆け引きの世界
⇒本邦初・JKリフレで働く女性たちに対するアウトリーチのドキュメント
コラム1 安井飛鳥(弁護士・社会福祉士・精神保健福祉士) 子ども・若者支援と性風俗
第二章 「風俗嬢」はこうして生まれる
⇒デリヘルで働く女性たちが抱える課題を、社会福祉の視点から構造化して徹底解説
コラム2 鈴木晶子(一般社団法人インクルージョンネットかながわ理事) 地域福祉との差異
コラム3 木下大生(武蔵野大学准教授) 風テラス相談員で得た気づきと変化
第三章 デリヘルの居心地がよい理由
⇒待機部屋の風景から、「共助」としてのデリヘルの実像を描き出す
コラム4 橋本久美子(社会福祉士・精神保健福祉士・保育士 母子生活支援施設勤務・保護司)つながりぬるく
第四章 風俗で働くことの本当の怖さ
⇒共助だからこそ、搾取以上に悲惨なことが起こり得る。彼女たちが落ち込む「奈落」の構造を解明
コラム5 徳田玲亜(弁護士) 相談員から見た風テラス
第五章 ライ麦畑のサバイバル・ガイド
⇒ 「許さない」から「ハームリダクション」へ、新しいビジョンの提示
コラム6 浦崎寛泰(弁護士・社会福祉士) 「なんとなくヤバそう」を越えてつながるために
あとがき 「ブラックボックス」に風穴を開けろ
⇒「彼女たちのデリヘル」から「私たちのデリヘル」へ
筑摩書房の『「身体を売る彼女たち」の事情』特設ページ(試し読みあり)はこちら!
書評・メディア掲載
2018年11月11日 東京新聞・中日新聞に書評掲載(評者・秋山千佳さん)
2018年10月6日 現代ビジネス 「生活保護より、デリヘルで働く」隠れシングルマザーの選択