
*帯イラスト:沖田×華さん
2021年11月9日(火)発売
2010年代に飛躍的に利用者数を伸ばした福祉サービスがあります。それは「放課後等デイサービス」です。
放課後等デイサービスとは、障害のある子どもや発達に特性のある子どものための福祉サービスです。現在の利用者数は20万人を超えています。
その放課後等デイサービスの現場で問題になっているのが、子どもたちの性に関するトラブルです。「人前で服を脱いでしまう」「人前で性器をいじる」「自慰行為をしてしまう」など、様々な問題が起こっています。

本書では、保護者や職員に対するアンケート調査やインタビューを通して、放課後等デイサービスの現場で起こっている性に関する問題を分析した上で、障害のある子どもたち、そして私たちが自分自身や他人の性とうまく向き合っていくための方策を探っていきます。
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目次
はじめに ⇒noteで無料公開しています
障害のある子どもの「性に関するトラブル」/コロナ禍で注目を集めた「放課後等デイサービス」/放課後等デイサービスで起こっている、性に関するトラブル
序章 分かりづらい障害、気づかれない二次障害
殺到する相談の陰に見え隠れする発達障害/見えにくく、分かりにくい障害/さらに見えづらく、分かりにくい女性の発達障害/解決の糸口は「性」にあり/発達障害のある子どもの性を社会的に支援していくために
第一章 「放課後に脱ぐ」子どもに悩む保護者
放デイの現場で、今何が起こっているのか/保護者インタビュー①父親「人前で服を脱いでしまう」/保護者インタビュー②母親「過度の密着」/ウェブアンケートの回答データから見る保護者の悩み
第二章 立ちすくむ職員、立ち向かう職員
放デイ職員インタビュー(男性・二十代)/放デイ職員インタビュー(女性・四十代)/現場の性問題/保護者との関係/外国籍の子どもと性/学校との連携の模索/卒業までのタイムリミット/「最低限のガイドラインが欲しい」/放デイ職員に対するウェブアンケートの分析/職員の視点から見る「性に関するトラブル」の背景/職員間の情報共有でトラブルに立ち向かう/「全て解決した」という回答はほとんどない/必要なのは「時間」と「チーム」
第三章 「問題行動」ではなく「成長の過程」
放デイでの性教育出前講座/性教育の現状と課題/一方的なタッチから、相互的なふれあいへ/集団の利点を活かす/自分の性器は「触ってもよいもの」である/特別支援学校の教員養成課程の中に、性教育は含まれていない/障害のある子どもの性教育の歴史/学校・放デイ・家庭の連携を阻む壁とは?/生理への対応/愛着形成期と思春期が重なることによって生じる問題/トラブルは必ず起こる。誰にも相談できないことが問題/「アダルト動画の影響」は意外と少ない/子どもの性に関する行動を「問題」だと思わないこと/高校卒業後の「性教育」の解決策/仲間同士で語りながら学んでいくために/性教育抜きでは解決できないが、性教育だけでも解決できない
第四章 「治す」「教える」「補う」で問題を解決する
方法論は、既にある程度確立されている/ABA(応用行動分析)/子どもに自信と成功体験を与えることで、適切な行動を強化する/TEACCH/「人前での自慰行為」を構造化によって解決/成功体験を積み重ねながら、自己決定や自己選択のスキルを磨く/感覚統合療法/SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)/家族療法/投薬治療という選択肢/機能代替アプローチの可能性/ICTの活用によって、困難と偏見を乗り越える/
第五章 「思春期の嵐」を乗り越えるために
思春期における二次障害の発生を防ぐ/「からだ」の視点から必要なサポートとは/発達障害と偏食・摂食障害の関係/「こころ」の視点から必要なサポートとは/重要なのは「グッズではカバーできない部分の支援」/「関係性」の視点から必要なサポートとは/日常生活の中で起こっている問題は、日常生活の中で解決していく/発達障害のある女子の恋愛とセックス/当事者同士で自分の気持ちを話せるコミュニティの必要性/「女性らしさ」から「自分らしさ」へ/「相談する習慣」を標準装備にする/「相談される力」を標準装備にする
終章 「納得解」を導き出す
発達障害者の性の氷山モデル/成人後の困難、そして男女の対立を減らすために/発達障害は謎だらけ/「社会の問題」以外の何物でもない/多因子の問題には、多角的な解決策を/障害を受容できなくても、困りごとは解決できる/社会の傷は、社会で癒す
あとがき
参考文献
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メディア掲載・イベント情報
2021年11月16日(火)婦人公論.jp
「人前でパンツを脱いじゃう」障害のある子どもたち。性被害から彼らをどう守るか
2021年11月17日(水)出版記念オンラインイベント@梅田Lateral
『パンツを脱いじゃう子どもたち-発達と放課後の性』刊行記念
「頻発している?教育現場の性のトラブル」
2021年11月17日(水)文春オンライン
肉の感触を確かめるように触れる、人前で性器をいじりたがる…福祉・教育現場で頻発する“性トラブル”のリアル
「人前で脱ぐくらい大きな問題ではない」温かく子どもを見守る“放課後等デイサービス職員”がそれでも対応に悩む“問題行動”とは
2021年11月19日(金)プレジデントオンライン
「部屋の真ん中で自慰行為を始める女の子」職員も頭を抱える”障害児の学童”の性トラブル
感想・書評
拡材用のイラストを、著者自ら描き下ろしてくれました!(うまい!)
『パンツを脱いじゃう子どもたち』、11/10発売です!https://t.co/BbVi3f3hJM pic.twitter.com/c1SkceCOBD— 中公新書ラクレ & ノンフィクション (@chuko_laclef) October 29, 2021
来週発売の新刊について書きました~
よろしくお願いいたします!(塚B)パンツを脱いじゃう子どもたち|シュッパン前夜 編集部 #note #私の仕事 https://t.co/6ZCDb1MTq1
— シュッパン前夜 (@Shuppan_Zenya) November 5, 2021
【新着記事!】
「性に関する話題はタブー視されがち」「一方で放デイの現場では、子どもの性に関するトラブルが頻繁に起こっている」
「人前でパンツを脱いじゃう」障害のある子どもたち。性被害から彼らをどう守るか 坂爪真吾 https://t.co/WJS5vKTR4y #婦人公論
— 婦人公論 (@fujinkoron) November 16, 2021
肉の感触を確かめるように触れる、人前で性器をいじりたがる…福祉・教育現場で頻発する“性トラブル”のリアル
『パンツを脱いじゃう子どもたち』より #1 #文春オンラインhttps://t.co/0YXp7vbmmw— 文春オンライン (@bunshun_online) November 16, 2021
「人前で脱ぐくらい大きな問題ではない」温かく子どもを見守る“放課後等デイサービス職員”がそれでも対応に悩む“問題行動”とは
『パンツを脱いじゃう子どもたち』より #2 #文春オンラインhttps://t.co/vrusz2NOjf— 文春オンライン (@bunshun_online) November 16, 2021
放課後等デイサービスで働いている女性職員の方のインタビューです。
「部屋の真ん中で自慰行為を始める女の子」職員も頭を抱える"障害児の学童"の性トラブル 解決が難しく、ガイドラインもない #放課後等デイサービス #発達障害 #性教育
— 坂爪真吾 『情報生産者になってみた』(ちくま新書)12/9発売 (@whitehands_jp) November 19, 2021
夕刊フジで『パンツを脱いじゃう子どもたち』紹介して頂きました!#放課後等デイサービス #発達障害 #性教育 pic.twitter.com/MfVJXRdTlb
— 坂爪真吾 『情報生産者になってみた』(ちくま新書)12/9発売 (@whitehands_jp) November 30, 2021