2021年4月8日(木)発売

二〇二〇年、夜の世界はかつてない危機に直面した。

新型コロナの感染拡大により性風俗店への客足が途絶え、働く女性たちは瞬く間に収入と居場所を失った。窮状を誰にも話せず、公的支援からも排除されたまま、孤立と貧困に苦しむ彼女たちを助けるために、これまで声を上げなかった人たちが声を上げ、動いた。

コロナ禍の世界で生き延びるため、夜の世界と昼の世界との間に橋を架けるための苦闘に内側から迫ったドキュメント。

目次

はじめに 全ての人が「当事者」になった一年間

第一章 LINEの通知が鳴りやまない 風テラスの百日戦争・前半戦

初日から野戦病院状態に突入/月収が八十万円からゼロ円へ/申請に立ちはだかる「不安の壁」/号泣する相談者に、生活保護をひたすら勧める毎日/人員面・資金面で限界が近づく/など

第二章 崖っぷちの性風俗 風テラスの百日戦争・後半戦

エッセンシャルワーカーとしての彼女たち/「いわゆる普通の人に戻りたい」/持続化給付金詐欺に巻き込まれる「無自覚なギグワーカー」たち/「最後に頼れるのは公助しかない」という現実/など

第三章 立ちはだかる「性風俗の壁」

「濃厚接触」最前線/署名キャンペーンを立ち上げる/岡村隆史「コロナと風俗」発言で大炎上/集団訴訟という選択肢/ソーシャルアクションの不可避性と不可能性/訴訟「だけ」では社会は変わらない/など

第四章 歌舞伎町に立つ

緊急事態宣言下でも路上に立ち続ける女性たち/彼女たちが路上に立ち続ける理由/ネットを見て集まる男性、そして摘発に動き出す警察/草の根でつながり、ハブになってつなげる/など

第五章 夜の世界を孤立させるな

「夜の世界で孤立している女性・一万人に支援を届けるプロジェクト」始動!/広告規制との仁義なき戦い/クラウド(群衆)の力を集めて、壁を突破せよ!/など

終章 誰もが性風俗の当事者に

「早く行きたければ一人で行け。遠くに行きたければみんなで行け」/どんな人も、夜の世界に無関心ではいられるが、無関係ではいられない/など

あとがき 風の止まった世界で、「私たちの風」を巻き起こすために

付録・風テラス白書(2020年・1年間の相談データ)

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