
本ガイドラインの目的と概要
1.適切な射精の方法と手順、自慰行為のマナーを教えることを通して、本人には「覚えることができた!」という経験と自信、そして保護者・支援者には「教えることができた!」という経験と自信を得てもらう。
2.そうした経験と自信を、その後の生活支援、性教育や男女交際、結婚や性生活の指導を進めていく上での基盤にする。
<目次>(A4版・30ページ)
自閉症児者への射精支援に用いる、説明用カラーイラスト資料付き
フローチャートにしたがって、本人の現在の状況に合わせてステップを踏んで支援を行うことができます。
自閉症や知的障害は個人差が大きいため、射精支援の方法や手順を「こうすれば、必ずできるようになる」というように、一般化・マニュアル化することはできません。
なかには、「いったん射精の方法を教えてしまうと、時間や場所をわきまえずに自慰行為を繰り返すようになるので、教えるべきではない」という意見もあります。
確かに、本人にとって信頼できる人間関係や安心できる生活環境が無い状態、親や支援者から性教育を全く受けていない状態、日常生活が精神的な不安やストレスに満ちている状態で、いきなり射精の方法だけを教えてしまうと、不安やストレスを解消するために、自慰行為に過剰にのめり込んでしまうこともあります。
しかし、家族や支援者との間で、本人にとって信頼できる人間関係が築かれており、日常的な不安やストレスが少ない生活環境、幼児期からきちんとした性教育を受けている状態であれば、自慰行為に過剰にのめり込むことは少なく、仮にのめり込んだとしても、比較的短期間で解消します。
真に着目すべきポイントは、「射精を教えるか否か」ではなく「射精を教えるために必要な前提=人間関係や生活環境が整っているか否か」です。
性的な面での支援についても、その他の支援と同様に、支援そのものの内容や手順だけでなく、支援の前提となる人間関係や信頼関係、生活環境を整えることが重要になります。
その視点から見ると、性に関する支援は、「特殊なもの」「難しいもの」「専門家によって、日常の支援とは切り離して行われるべきもの」でも何でもなく、「日常の生活支援、人間関係の中で、当たり前に行われるべきもの」であることを理解して頂けると思います。
必要なのは、機械的な手順を示した「マニュアル」ではなく、支援全体の向かうべき方向性と理念、支援の前提となる条件確認の重要性を示した「ガイドライン」です。
本ガイドラインでは、誰にでも自然かつ安全な形で、ステップを踏んで、障害児者の射精に関する支援を行うことのできるコツやヒントをまとめました。性の問題に取り組まれている当事者・保護者・支援者の方の参考になれば幸いです。
本ガイドラインの活用法
【企業・NPO】職場での勉強会、職員研修の参考文献として
【図書館】介護・福祉分野の蔵書として
【教育機関】大学・専門学校での参考文献として
【研究機関】大学院生、研究者の論文作成・調査研究の資料として
【医療機関】スタッフの勉強会・研修のテキストとして
【福祉系専門職】講座、講演の参考資料として
【行政】政策立案・法令制定の参考資料、啓蒙資料として
【障害児教育】学校やサークル、家族会での副読本、啓蒙資料として
【メディア】「障害者の性」に関する記事や番組の作成資料として
<本ガイドラインを使用した講座のご案内>
本ガイドラインを使用した「障がい者の性」基礎研修を開催しております。ご興味のある方は、ぜひご参加ください。
<関連書籍のご案内>
2021年11月9日(火)、知的・発達障害児の性をテーマにした新書『パンツを脱いじゃう子どもたち 発達と放課後の性』(中公新書ラクレ)を刊行いたしました。ガイドラインに同梱いたします。

価格・代金のお支払方法
1セット 4,400 円(税・送料込)
*ガイドラインの副読本として、『セックスと障害者』(イースト新書)と『パンツを脱いじゃう子どもたち』(中公新書ラクレ)を同梱して発送いたします。
ご入金を確認してからの発送【前払い】となります。代金のお支払い方法は「銀行振り込み」になります。
*官公庁、大学、企業、図書館からのご注文に関しては、請求書の発行+後払い対応をいたします。
*入金確認後、1~2営業日内に発送いたします。
*返品・交換可能期限は、到着日より7日以内です。 ⇒特定商取引法に基づく表示
ご注文フォーム
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